千歳屋について
農業倶楽部 千歳屋とは
農業倶楽部「千歳屋」は、信州安曇野で、「食と農」の取り組みを目的として立ち上げられました。
北アルプスの麓に広がる安曇野は、近年は「心がかわいたら安曇野へ」のキャッチコピーで知られます。清らかな水を蓄えた肥沃な大地は、古くから農業を栄えさせ、豊かな食文化を育み、ふんだんに供してきました。脈々と続いてきた尊い営みを学んで実践し、後世へと伝えていきたい――それが農業倶楽部「千歳屋」の出発点です。非日常のものとなりかけている郷土の日常食を作って味わい、先人たちの知恵に感動し、不便から生まれる工夫を楽しんで活動しています。
主宰のご挨拶
農業倶楽部「千歳屋」のホームページへ、ようこそお越しくださいました。「千歳屋」は、私の生家です。信州諏訪から移り住んで長尾神社(諏訪大社の分社)の宮司や庄屋を務めた宮坂家の屋号で、残されている最古の位牌が延宝四丙辰年(1676年)のものであることから推察するに、江戸時代初期から続く古い家です。
いずこの家にも盛衰の歴史があるものですが、千歳屋は私の祖父・宮坂二郎が満州開拓団副団長として渡満の果てに不帰の客となって没落。父・高連は、大変な労苦の末に現在の家屋敷を築きました。こよなく愛した日本庭園と和風家屋、水田や畑を守り抜いてほしい――父が私に託した最期の望みです。農業倶楽部「千歳屋」は、この願いを受けて誕生しました。
主宰 吉村 幸代 (よしむら さちよ)
宮坂高連
宮坂 高連(みやさか たかつら)
昭和4年(1929年)、信州安曇野の旧温村に生まれる。高連とは、白く輝く穂高連峰の、高く連なる嶺々の雄姿からの命名。平成21年(2009年)歿。
松本市に本社をおく信光石油株式会社および信光商事株式会社を、義兄である甕武清(故人)とともに創業し、専務取締役を務めるかたわら、長野県石油協同組合や長野県石油商業組合の副理事長などを歴任、松本深志ライオンズクラブ会長として社会貢献にも励んだ。引退後は松本商工会議所チャレンジ起業相談室コーディネーターとして活躍し、Japan Venture Awards 2004の起業支援家部門で中小企業長官表彰を受賞。
無類の頑張り屋で、座右の銘は「人一度して之を能くすれば、己之を百度す。人十度して之を能くすれば、己之を千度す(中庸)」。日本庭園を造園し、絵を描き、俳句を詠み、書画骨董を収集。俳号は宮坂蓮花、句文集『穂高連峰』を上梓した。「出会ったら乾杯」という名言を残すほど人を大切にし、真夏でも「ぬる燗の日本酒」を好んだ。
宮坂 高連(みやさか たかつら)