更新情報
Happy Birthday
誕生日を迎えました。新鮮さにも熟成感にも欠けた中途半端な年ごろ、あまりめでたさはありません。そんな私の誕生日を祝ってくださるというので、松本市中心市街地にある「燕十」というレストランに出かけました。燕十は、元プロサッカー選手で現在はJAPAN CRAFT SAKE COMPANY の代表取締役を務めるグルマン・中田英寿氏が来店し「日本酒も美味しくいただける素晴らしいレストラン」と賛辞を送ったお店です。
以前、グラフィックデザイナーで居酒屋探訪家としても有名な太田和彦氏と紙上対談した際「松本は、ここ30年で素晴らしい飲食店が増えた。地方都市とは思えないレベル」と言っておられましたが、燕十もまた然り。若き伊藤シェフの美しくて無駄のない料理さばきを見ながら、カウンター6席と個室1室のみのこだわり抜いた空間を創り出した度胸と経営者としてのセンスにも感じ入るのです。


こんな厚切りの河豚、いただいたことがありません。口をついて出た言葉は「すみません、日本酒をください!!」

ちなみに、宮島酒店は今から20年も前に、全原料米を無農薬米または低農薬米とした意識の高い酒蔵です。代表銘柄は「信濃錦」ですが、こちらの斬九郎は、こだわりの食中酒として後発的に誕生した銘柄で、特徴は芳醇辛口。ほどよく効いた酸で料理が進みます。

ほのかに酔いがまわり、鉄板の上ははんぺんと餃子かと思いきや、新玉ねぎとフォアグラだそう。動物愛護団体の強制給餌反対の声が頭をよぎりましたが、かくして人生初フォアグラは、ふわふわとしつつ濃厚、む〜。私が分かる食べ物で表すなら、あん肝ムースと言った感じでしょうか。フランスが「フォアグラは我が国の美食的文化遺産の大切な一部」と主張するのも納得の味わいです。

〆張鶴純米大吟醸RED LABEL
香り味わい共に最強クラス。この香りに負けない飲みごたえは、度数16度ゆえでしょうか。(通常の日本酒はアルコール15度が多い)フォアグラに合わせてさっとこのお酒にしてくれたサービスにうっとりです。

翌日は、まだ冷たい春の風に吹かれながら草取り。夢のような昨夜に想いを馳せながら、やっと伸びてきた菜の花を湯がいて漬けてみました。蛤は不在ですが、まあいいや。

素食ときどき美食が幸せの秘訣でしょう。
サロン千歳屋「中国茶の世界」

2025年初めてのサロン千歳屋。今回は酒井文恵先生をお招きして、中国茶について学びます♫ 私が初めて中国に渡ったのは学生時代、もう20年も前のことです。4元(当時で60円くらい)で飲める青島ビールに狂い、1元で買える串焼き(羊肉か?)と野球ボール大の胡麻団子を貪り食う日々……残念ながら中国茶の記憶はありません。

講師の酒井先生は、初めて飲んだ中国茶の香りに魅了され師匠に弟子入り、中国茶の種類や製法、淹れ方などを何年もかけて学んだそうです。


次に驚いたのは、使用するお湯の量。急須や杯にじゃぶじゃぶお湯をかけて温め、「茶葉を洗う」と言って注いだ一煎目のお湯も、惜しみなく捨ててしまいます。必然的に、茶会の最中は常にお湯沸かしです。

中国茶は、茶葉の発酵法などの製法により分類されています。
緑茶(不発酵茶)白茶(弱発酵茶)黄茶(弱後発酵茶)青茶(半発酵茶)黒茶(後発酵茶)紅茶(完全発酵茶)ジャスミン茶……ジャスミン茶だけ特別扱いなのも興味深いですね✨️我々に馴染みの深い烏龍茶は、青茶に分類されます。
本日は、青茶の中から岩茶と、黒茶の中から六堡茶をいただきました。岩茶は血中コレステロールの低下、六堡茶は消化を助ける作用があるそう。これはこれは!ガブガブガブガブ。
日本酒・味噌・日本茶は、国内消費が落ち込み続けている食品代表格。酒飲まない、味噌汁飲まない、急須で淹れたお茶飲まない…豊かになった日本人は何をして、何に忙しがって、何を味わっているのでしょう。静岡県が県内の小学生がいる家庭に行なった調査では、日常的にお茶を淹れて飲む習慣のない家庭が5割、急須のない家庭が3割近くにのぼるとか。外資系コーヒーチェーン店が賑わっているのと対比的な状況に驚きます。
今回1番嬉しかったのは、サロン参加者が20代〜80代と幅広い年齢層の方々だったことです。我がサロンのテーマは「学びと交流のある人生は楽しい」。



サロン千歳屋
コロナ禍がようやく落ち着きかけた2023年の夏、文化サロン「千歳屋」は開講しました。学都まつもとに根ざした市民の学びと文化活動を、共有し推進することを目的とした取り組みです。

14歳の時に俳句を始めたという宮坂先生。学校の先生が、黒板に郷土俳人の句を50句板書。「暗記せよ」と言われたのが始まりだそうです。私も高校の頃、社会の先生から日本国憲法前文の暗記を求められたことがありました。あまり意味が分からないながら、「希求」「不断の努力」といった言葉たちに胸をときめかせたのを思い出しました。近年は考え表現する教育が主ですが、幼少期にひたすら何かを唱えるような、逆に言えば強制的に叩きこむような、そんな学びも悪くないと思った次第です。

宮坂先生のお話しの中で最も印象的だったのは「0.5の自己主張」というお話し。とかく人は自分の気持ちを十二分に表現しようと思いがちだけれど「自然を感じて0.5、自分の気持ちを0.5内に抑えた中で表現するのが俳句の世界」とのこと。人が何十年もかけて到達する真髄をいとも容易く聞いてしまい、なんだか後ろめたい気持ちに駆られたのでした。

その後のサロンでは、松本市に約3000冊の山書を寄付された百瀬武さんを講師に迎え、貴重なコレクションも拝見👀「山書」と書いて「さんしょ」。山書専門の収集家もいらっしゃると聞いて一同唸るばかり。


世の中デジタル化だのなんだのとかまびすしいけれど、私はやはり紙ベースが好き!!



クリスマスイヴのサロンは、鴻田康子先生の祈りの歌声と共に乾杯🎄

さてさて、明日は2025年初めてのサロン。心弾ませながらおやすみなさい⭐️


千歳屋について
清らかな水を蓄えた肥沃な大地は、古くから農業を栄えさせ、豊かな食文化を育み、ふんだんに供してきました。脈々と続いてきた尊い営みを学んで実践し、後世へと伝えていきたい――それが農業倶楽部「千歳屋」です。


寿一番星倶楽部について
酒米の田植えや稲刈りを楽しみ、慰労の酒を酌み交わし、出来上がったオリジナル清酒を味わい、日本酒文化を通じて得た感動を発信するなどの活動をしています。


唎酒師 結城子
おばあちゃんたちが作ってくれた「知恵の食卓」を伝え継ぎたい。そうした思いから、私は利酒師として酒と肴、郷土食を研究しています。
倶楽部概要
農業倶楽部 千歳屋 主宰 吉村 幸代
● 〒399-8102 長野県安曇野市三郷温1784
● TEL & FAX:0263-77-2514
あなたも寿一番星倶楽部の仲間に入りませんか!?
農業倶楽部千歳屋では、会員を募集しております。
ぜひお気軽にご参加ください。
