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謹賀新年🐍2025
皆さま、あけましておめでとうございます!
年末に人生で初めてインフルエンザに感染、2024年の最後の1週間がほぼ布団の中、という惨状に見舞われました。大掃除割愛!ゴミ出し割愛!!年賀状、そのうち届くから待ってて!!!!と、たいていのことはどうにもなるのですが、大のお正月好きとしては一通りの行事をやらねば気が済みません。そして、おせち料理だけは一品たりとも減らすまじ……私らしい執念の年の暮れでした。
一夜飾りだの、苦餅だの気にするのはやめましょう。 農業倶楽部千歳屋一器用なクラブ員・Craftman136氏は、秋に刈りとった稲わらでお飾り編みです。まさにドロナワ、ブラボー!
ヘビ年にちなんで、蛇飾り🐍
滋賀県などで作られる蛇飾り。蛇を竜になぞらえ、稲作と切り離せない水の神として祭り、恵みの雨と豊作を祈ったと言われています。紅白水引リボンがかわいいでしょう✨️
角餅はついた餅をのして(四角く広げて)切れるようになるまで、お餅が硬くなるのを待たねばなりません。丸餅は待ち時間不要で、いつも忙しい千歳屋にぴったりです。いつしか我々のお餅は丸餅で定着しました。以前、お餅をお出ししたお客様に「お嫁さんが西の方とか…?」と聞かれて皆で笑ったことがありました。
風習も言い伝えもだいぶ変更しての突貫工事でしたが、なんとか無事にお正月を迎えられました。しなやかに変わりながら、変えながら、大切なものを守っていこうっと。
心新たに2025年の始まりです。
きゃらぶき
6月に入って最初の仕事は蕗の佃煮「きゃらぶき」造りです。祖母が煮ていた記憶を辿っての初めての挑戦からはや10年……今では「私の十八番」と胸を張れるようになりました。
まずは半日、敷地内の蕗を採り続けます。普通の蕗の煮物と違って、きゃらぶきには細めの蕗がおすすめ。太い蕗を煮るとふっくらもっくらした食感ですが、細さゆえにきゃらぶきのキュキュっとした独特の食感が出るのでしょう。
半日かけ採った蕗を半日かけて切り、熱湯を注いでそのまま一晩置きます。理想的な蕗の長さは4.5センチ。「長いと間抜け、短いとみすぼらしい」と言われ修業時代は物差しを当てて切らされたものです。
2日目、一晩湯にさらした蕗をザルにあげ、いよいよ煮始めます。たっぷりの酒に醤油と砂糖を入れ中火にかけて……火をつけたり消したりを繰り返し、かさ(体積)が2割くらい減ったあたりで今日はおしまいです。
3日目も再び火をつけたり消したりを繰り返し、4日目からはそろそろ仕上げに入ります。きゃらぶきの美しさは、なんといっても漆黒ブラック✨祖母が使っていた錆び釘をガーゼで包み鍋に投入し着火‥‥不思議なもので茶色かった蕗が黒味を帯びてきます。
5日目、いよいよ味付けの仕上げです。蜂蜜と味醂を足し、味をみて醤油も足します。ちょうど良い甘辛を目指して慎重にね。
蕗や蕨(わらび)は火を加えてあるところを越すと、急に細くなってしまいます。強火で一気に煮ようとすると、味は染みていないのに細い藁(わら)のようになってしまうので要注意。まさに「せいては事を損じる」です。今年の新たな試みは「火にかける時間を極力減らす」。その代わりに火をつけたり消したり30回以上繰り返したでしょうか。目論見は大成功でした。
「レシピを教えて」「教室で習いたい」とリクエストをいただくのですが、分量は様子を見ながらの感覚的、日数がかかるので講習には不向き…なんとか、このホームページの「伝え継ぎたいレシピ」には入れたいと思います。
さてさて、労作を肴に慰労の一杯を。朝晩はまだ肌寒い信州、やわらかなぬる燗が染みます。晩酌のお供にちょうど手にとった俳句の本で、きゃらぶきは夏の季語だと知りました。
伽羅蕗を煮返す妻や今日も雨 増田龍雨
大根娘
相変わらず冬を満喫中♬
携帯の普及と携帯カメラの進化により、皆が気楽に写真を撮れるようになりました。青春時代をフィルムカメラやインスタントカメラと過ごした私たちは、親から「そんなくだらない物を撮ってもったいない」とよく言われたっけ。今の私の携帯の中に納まっている写真は圧倒的に、食べたものと飲んだ酒記録。酔っぱらいの記憶を明日へとつなぐ命綱・携帯カメラ、ありがたやぁぁ。
はてはて、最近の写真を眺めながらおしきせ中(信州の方言で晩酌の意)、思わず声をたてて笑ってしまった。「毎日毎日、大根ばっかり!」
かつて「私の血はワインでできている」という名言を残した女優がいたが、私の場合「私の大根足は大根でできている」とでも言おうか……笑えません!ちなみに、農業倶楽部千歳屋では漬物用煮物用など用途にあわせて、5種類の大根を栽培しています。
最後に…このホームページにもアーカイブされていますが、千歳屋主宰・吉村幸代の名コラム『大根七変化』をご覧あれ。さて、ねずみ大根の粕漬けでも切って飲もう🐭
皆さんのオススメ大根料理、是非教えてくださいね。
千歳屋について
清らかな水を蓄えた肥沃な大地は、古くから農業を栄えさせ、豊かな食文化を育み、ふんだんに供してきました。脈々と続いてきた尊い営みを学んで実践し、後世へと伝えていきたい――それが農業倶楽部「千歳屋」です。
寿一番星倶楽部について
酒米の田植えや稲刈りを楽しみ、慰労の酒を酌み交わし、出来上がったオリジナル清酒を味わい、日本酒文化を通じて得た感動を発信するなどの活動をしています。
唎酒師 結城子
おばあちゃんたちが作ってくれた「知恵の食卓」を伝え継ぎたい。そうした思いから、私は利酒師として酒と肴、郷土食を研究しています。
倶楽部概要
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● TEL & FAX:0263-77-2514
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