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春が来た🌸

 私が季節の移ろいを感じるのは畑と食卓。長きにわたる寒い寒い日々の末、3月の卒業式の頃には信州の方言で「上雪(かみゆき)」と呼ばれる湿った重い雪が降り、最後の力を振り絞るかのように寒気が活躍します。それゆえ、信州では春の芽吹きへの喜びはひとしお。梅と桜が同時にほころび、庭では蕗の薹が頭を出し、畑では柔らかそうなナズナが陽光を浴びています。

 まずは、第1弾の蕗の薹を採取。地上に出た蝉の命が1週間という悲しげな話をよく耳にしますが、蝉は1週間全力で鳴けるだけいいですね。蕗の薹は地上に頭を出した途端、包丁で切られてしまうのだから。地の恵みをありがたくいただくと致しましょう。
 コーヒーを飲めないのに、苦い蕗味噌は好き 
       ナズナの出汁浸し

 茹でて鰹節をのせて「お醤油をかけてどうぞ」と供されることの多いナズナ。かねてから醤油の味の強さに違和感を抱いていたので、薄い醤油味の出汁に漬けてみました。ムムム、美味!私の早春の定番となりそうです。

   かんぞうの酢味噌がけと蛍イカ

 やがて黄色やオレンジ色の花を咲かせるかんぞう。葉の形を鶏のトサカに見立てて、別名「とてこっこ」と呼ばれます。クセはないけど少々粘り気があって美味。でも、1度に大量に食べるとお腹がゆるくなる場合があるそう。野のものは適量摂取が大切ですね。

     半分以上が野の草!な食卓

 裏畑 何も作らず 蕗の薹   山口青邨

 

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